エンジニアであること in 2020

エンジニアと名乗ること

10年前、アプリ開発者としてこのソフトウェア業界に入っていてつくづく自分はエンジニアなのだろうかという葛藤を抱えていました。 なので自分はエンジニアではなく、「プラグラマーです」と名乗るようにしていました。 これは職業として事実なので。 ゆえにプログラマーであることにとても強い誇りを持っています。

ですが、この業界に入って思うことなのですが、本当に受け入れ窓口が広い。 だからこそ私も入れたのだろうと思っています。

日本においてエンジニアかどうかは、どんな形であれ企業で開発職として業務していれば基本エンジニアです。 (企業は少なくともそう見てくれます。)

ですが当然、中には「あなた達、どれだけエンジニアと名乗る資格があるの?」という声を出す人はいます。 twitterでそんなことをつぶやいている人がいました。 曰く「俺はアカデミーでソフトウェアを学んでいないからデベロッパーと名乗るようにしている」とのこと。

なるほど大学や大学院でソフトウェアについて学ぶことがエンジニアとして必須であるならば、私はエンジニアではないでしょう。 アメリカのシリコンバレーに働くエンジニアは基本「修士」以上の学位を持つことが必要となっているとも聞きます。 (日本のアンドロイドプログラマーさんが、アメリカの企業に転職しようとした際、修士以上の学位がなく断念したブログの中で、「免許もないのに車を運転できます」という奴をどれだけ信頼できるのかといわれたら難しいだろうと述べていたのは心にぐさりとささったまま。)

ですが、日本であれ、アメリカのシリコンバレーに務める人であれ、ソフトウェアの学位を持っているからといってエンジニアであるかというと、そうではないと思います。 やはり何らかの形で企業から開発者であることは少なからずとも認定されているからこそ「エンジニア」であるのだろうと思います。

少なくとも所属企業や常駐先企業や顧客からはエンジニアとして見られているのであれば、 エンジニアとしての矜持は持つべきではないかとも思うようになりました。 (去年の暮れから今日今現在の気持ちとして)

誰でもエンジニアになれる時代が幕開けていた

素晴らしいことに現在、アプリ開発、webアプリ開発、ゲーム開発において、昔のエンジニアほどの高度な知識を持たなくても開発できるようになっています。

つまりもう10年も前から 誰でもエンジニアになれる時代だった のではないか。

いや、2000年にWebの時代が幕開けてからそうだったのだと思う。 日本のメーカー系企業は、その部分でソフトウェアを軽視しすぎたのが、今の凋落の原因ではあるまいかとも思うのです。

エンジニアとしての矜持

去年、テスター要員として駆り出された際に、とてつもないテストケースを見てしまいました。 一つのテストケースに単体テストからシステムテスト強いて言えば受け入れテストに至るまでのレベルが混在していました。

これはもはやエンジニアリングされたものではなく、職人芸だと思いました。 そこにはコスト意識(時間やお金)がゼロですし、何よりも一般化されたテスト知識が使われている形跡がほとんどありませんでした。

テストはいくらでもコストを掛けることができます。

SES業界にいたとき、間のSIerさんから今月は140時間下回りますので、頑張って下回らないようにしてくださいと言われたとき、開発している部分のテストを一生懸命作り出していました。 テストにはいくらでもコストを掛けることができたからです。 (おかげでSIerさんからもお客様からも評価していただくことが出来るという秘密の奥義でした。)

職人芸レベルで作られたテストケースは、エクセルでした。 残念ながら日本の企業は、テストケースをエクセルで書くことが一般的です。 (アメリカではテスト管理ツールが使われるようです。(参照:ぶた本)

またバグ票もエクセルでした。 (せめてBTSぐらいは使って ><)

そんな中、エンジニアとは何なのかという元来のテーマも抱えたまま正月休みに突入してしまい、 せっかく2019年を生き抜くことが出来ためでたい残りの日々にも、ずーとそのことを考えてしまった。)

そして出した結論がとりあえずこちら。

やはりエンジニアである以上は、何であれ、エンジニアリングするべきではないかと思う。 それは数学を含めて問題解決にあたって、適切なツールを使うということです。 なければ作るべきですし、OSSを使っていて不便であると思うのであるならば、フィードバックするべきなのだろうと。

少なくとも所属企業からはエンジニアとして認められているのであれば、エンジニアリングしなければ。

そして所属しているエンジニアがエンジニアリング出来るかどうかにおいて、 日本のソフトウェア企業でも大きくなれる企業と小さいままの企業の差なのだろうとも思いした。

恩返しすべく働きたい。

2020年、よろしくお願いいたします。